売却時の注意点 その①”囲い込み”とは

今回は「売却時の注意点」その1として“囲い込み”についてお伝えしていきます。

“囲い込み”というのは、簡単に言うと、売主側の仲介業者(元付業者)が、他業者(客付業者)
からのお客様(買主候補)に物件を紹介させずに、自社で販売してしまう行為を言います。

“囲い込み”行為は、売主にとっても不利益になる可能性が高いですので、禁止されています。
“囲い込み”行為が明白になれば罰則もあるのですが、そこはバレないように手口が巧妙に
なってきています。

なぜ元付業者は“囲い込み”を行うか?
また、なぜ“囲い込み”は、売主様にとって不利益になるのか? それぞれ説明していきます。

1. なぜ“囲い込み”をするのか?
理由はただ一つです。自社で買主を見つけることで、いわゆる【両手取引】とするためです。

≪片手取引と両手取引の違い≫


元付業者から見れば、苦労して専任(又は専属専任)媒介まで取得したのですから、少しでも
手数料を多く稼ぎたい、と思うのは当然のことですし、両手取引自体が悪いことではありません。
アメリカなどでは、利益相反の観点から売主側のエージェントは買主側のエージェントになれない、
というルールがありますが、日本ではそのような規制はなく、両手取引自体は合法なのです。
業界大手などは、取引の8割以上が「両手取引」という調査結果もあるくらいです。

2. なぜ、“囲い込み”は売主の不利になる可能性が高いのか?
例を挙げて説明します。
元付業者は売主さんから4,000万円で売却を依頼され、販売を開始しました。
A社(客付業者)から、「4,000万円(満額)でも購入したいというお客様がいますので部屋を見せて
欲しい。」と連絡がありました。
また、B社(客付業者)からも「3,950万円(満額)でも購入したいというお客様がいます。」と連絡が
ありました。
※通常は、このように見学前に希望価格を伝えるケースはあまりありませんが…

しかし、元付業者はA社には様々な理由を付けて部屋を見せず、自社のお客様(3,800万円で購入希望)を
優先して売主と交渉して、3,800万円で売買契約をまとめました。
買主さんに得をしましたが、4,000万円で売れていたかもしれない売主さんにとっては不利益となります。

また、元付業者からみると、多少価格を下げてでも両手取引にした方が手数料は多くなるわけです。
もちろん、このような経緯は売主は知る由もありません。


3. “囲い込み”を防ぐ方法はあるのか?
では、売主が“囲い込み”を防ぐ方法はあるのでしょうか?
媒介契約を締結した後だと、取れる対策は少ないと思います。

売却依頼前であれば、「一般媒介」で依頼するというのも有効な手だとは思います。
数社(3社くらい)に売却を依頼することで、囲い込みは無くなります。
(そんなことをしていたら売れるチャンスを逃しますから・・・)

「大手に任せておけば大丈夫だろう」「大手は囲い込みなどしないだろう」と思われているとしたら、
業界大手が【取引の8割以上が両手】ということを思い出して頂ければ、何となく実態を分かって頂ける
のではないでしょうか?

4. 【余談】 部屋を見せない理由
他社に部屋を見せないためには色々な理由をつけて断ってきます。
私が経験したものをいくつかご紹介します。
1)よくある理由
・ 売主さんの都合が悪い。出かける予定でいない。
?居住中に限られますが、3週連続で週末の都合が悪いと言われて見せてもらえなかった事があります。
・ 部屋が片付いていない。
?普通は片づけてしてから売却しますよね。
・ 週末は見学予約が10件入っており、売主さんがこれ以上の対応できないと言っている。
?「他のお客様と同じ時間帯で、迷惑にならないように見学しますから。」と言ってもダメでした。
2)そこまで見せたくないの?本当に売る気あるの?と思ってしまった理由
・週末は子供の運動会で対応できない。
?念のために確認したら、やっぱり運動会などやっていませんでした。
・ 空室なのに「立会いが原則。その日は担当者の都合が悪いので立ち会えない。」
?「鍵を借りに行きます」と言っても「立会いが絶対」と言って譲らない。盗難の恐れもないでしょうが…
・ ペットの検診があり、不在。
?家族全員でペットの検診に立ち会わないといけないの?

囲い込みの手法としては、【部屋を見せない】というのがオーソドックスですが、仕方なく内見をさせた
としても、「ローンの仮審査に通っていないと申込みはできません」と言って時間稼ぎをするケースなど
もあります。
ローン審査の間、他のお客様の案内をストップすると、見込み客を逃してしまうというのが表向きの理由
ですが、自社のお客様にはそのようなことは言っていないと思います。


それではまとめです。
■“囲い込み”を防ぐのは難しいですが・・・■

売却を依頼してしまったら、売主の方で囲い込みを防ぐのはなかなか難しいです。
内見を断る言い訳を潰しておくためにも、内見希望の多い土日はできるだけ対応できるようにしましょう。
また、内見希望者が多くても対応可能であることを伝えておきましょう。
販売を任せる前であれば「一般媒介」にするのも有効ですが、あくまでも“囲い込み”を防ぐという観点から
ですので、その辺りは慎重に判断した方がいいかもしれません。

次回は、「売却時の注意点その2 【“干し”“値こなし”】とは?」を予定しています。


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2021年11月11日