売却時の注意点その② “干し”・“値こなし”とは?

売却時の注意点 その② ”干し”・”値こなし”とは

今回は、「売却時の注意点」その②として“干し”と“値こなし”についてお伝えしていきます。
前回の “囲い込み”も含めて、この3つを総称して、不動産業界の三大悪癖などと言う場合もありますが、
詳しく説明したいと思います。

1. “干し”とは?
“干し”とは、媒介契約締結後に積極的な販売活動をせずに、物件を放置する(干す)ことを言います。
通常は専任媒介などで物件を預かったら、REINSに登録するのと合わせて、「アットホーム」や「SUUMO」、
「ホームズ」などのポータルサイトに登録するとか、物件周辺でチラシをポスティングするなど積極的に
販売活動を行います。

ところが、「この業者さん、本当に売る気あるのかな?」と思うケースがあります。
例えば、REINSに販売図面や物件情報を詳しく掲載しないなどです。
お客様に紹介しようとしても、必要な情報も記載されておらず、ひどい場合は、問合せをしても十分な資料を
頂けないこともあります。
ほとんどの売主様がREINSを確認しないのをいいことに、このようなことがまかり通っているのです。
(中には、近所の人に知られたくないとの理由から、極秘で販売するケースもありますが・・・)

なぜ“干し”行為を行うのか?
では、なぜ“干し”行為が行われるのでしょうか?
よくあるパターンは、相場よりも高い価格で媒介契約を結んだ場合です。
担当者(または会社)として、この物件はすぐには売れないだろうという判断が働いた場合に、広告費などを
抑えるために、積極的な販売をしないというケースです。(REINSは登録無料ですが)
「アットホーム」などポータルサイトの掲載にはお金がかかりますので、限られた広告枠(予算)は、できる
だけ売れそうな物件から使いたいという心理が働きますので、積極的に販売活動をしない(あるいはできない)
ということもあります。

あとは少数ですが、悪質なケースとして、“囲い込み”と同じように他社からの問い合わせを受けないために、
積極的に販売活動をせずに放置するケースがあります。
この場合、自社のお客様だけには紹介をしますが、価格が高いとなかなか売れません。
こうして、物件をしばらく放置(干す)して、売主さんがじれるのを待つのです。

“干し”行為を防ぐには?
売主様の方で、完全に“干し”行為を防ぐことは難しいところもありますが、以下のことくらいはできます。
①REINSの登録証明書をもらう。
?REINSに登録したら証明書が発行されますので、それをもらいましょう。
(証明書も出さない業者は問題外ですが・・・)
証明書には登録内容を確認できるURLとID・パスワードが記載されていますので、ログインして登録の
内容や販売図面なども確認しましょう。
もし、内容が不十分だったり、図面が登録されていなかったら、“干し”の可能性があるかも知れません・・・
②どのポータルサイト(アットホームなど)に掲載するのか確かめましょう。
?どこのポータルサイトに掲載するかを聞いたら、本当に掲載されているのか確認しましょう。
③“干し”行為が明らかな場合、媒介契約が完了するのを待って他業者に変更するか、一般媒介にしましょう。
?売主様の利益にならない業者さんに付き合う必要はありません。

3. “値こなし”とは?
“値こなし”とは、一定期間“干し”ておいた物件を、「売れないから価格を下げましょう!」と売主様を説得
して価格改定することをいいます。
一括査定などの際に、媒介契約を取得するために、相場よりも高い査定価格を出すケースがよくあります。
もちろん、相場よりも高いことを売主様も承知した上で、「1か月経過して反響がなかったら価格を見直し
ましょう」などと予め決めた上で高値販売する分には問題はありません。
しかし、媒介を取得するために、「この価格でも当社で売ってみせます。任せてください。」などと調子の
良いことを言って販売開始しても、やはり相場から乖離した価格ではなかなか売れません。
もちろん、業者もすぐに売れないことはよくわかっていますので、積極的に販売活動をしません。
そして2~3カ月ほど経過した後、売主様がしびれを切らした頃に、「このままでは売れないので、値下げ
をしましょう」と提案してくるのです。
売主様としては、なんだか騙されたような気持ちになりますよね・・・

それではまとめです。

■“干し”、“値こなし”の罠に陥らないために■
一般のお客様と不動産業者との情報格差が少なくなった今、相場より高値で売却するのは難しくなって
きています。
「自分の不動産はこれくらいで売れるはず」という期待とは別に、冷静に相場を見ることも重要です。
そうしないと、“干し”行為や“値こなし”の罠に陥ることになります。
もちろん、相場より高いと分かった上で、高値売却の可能性を追求することは全く問題ありません。
(弊社でも推奨しています)
また、買換えなどで引渡し期日(いつまでに売らないといけないのか?)が決まっている場合などは、
焦って価格を下げすぎることもありますので、注意が必要です。
買換えの場合でも、逆算でスケジュールを組んだ上で、できるだけ高く売却する方法を提案してくれる
業者や担当者なら安心ですね。

次回は、「買換えの方法 ①買い先行の場合」を予定しています。

当社は「北区不動産」専門です。
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おりますので、お気軽にお問い合わせください。
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2021年12月16日