不要な土地を国が引き取り?!【相続土地国庫帰属制度】

◆相続した不要な土地を国が引き取ってくれる?!◆

増え続ける所有者不明土地ですが、昨年の4月に『相続土地国庫帰属制度』に関する法律が
成立しました。

これは相続した土地が不要な場合、一定の条件を満たせばその所有権を国に移行できる
という制度であり、2023年4月から施行されます。
導入の目的は増え続ける空き家や所有者不明土地の抑制ですが、引き取ってもらうためには
様々な条件があり、ハードルが高いようです。
制度について簡単にまとめてみました。

1. 背景・目的
1)高齢化加速や相続人不在などで所有者不明土地が増加
2016年度調査で所有者不明土地は「九州」の面積を上回る約410万ヘクタールとなっており、
このペースだと2040年には「北海道」面積に迫る約720ヘクタールに増えると予測されています。

2)整備を急がないと民間の取引にも支障が出る。
所有者不明土地に隣接する土地では境界確認ができずに取引に支障が出るケースなども発生しています。
境界確定できないことで不動産取引が阻害されるのは、経済にとっても大きな損失となります。


2. 改正案の骨子
1)所有者不明土地を、備蓄倉庫・再生エネ施設などの整備に活用
2)これまでは空き地に限っていたが、自治体による代執行(解体)も可能とする。
3)土地仲介をするNPO法人などを指定し、売買を後押しする。

所有者不明土地の多くは山林・田畑などだと思いますが、都心でも放置された空き家などを見かけます。
近隣の人からすると、防犯面や衛生面、また景観・風紀上も何とかして欲しいと思っているはずです。
空き家は益々増えると予測されていますが、これらの解決にも役立つ法整備だと思います。

3. 利用に際しての注意点
いいことずくめの制度のようですが実際に引き取ってもらうためには高いハードルがあるようです。
例えば、以下のような土地は引き取ってくれません。
1)建物がある土地(=更地でないとダメ)
2)境界確定していない土地(=測量・境界確定をしないとダメ)
3)抵当権が設定されていたり、土壌汚染がある。(=きれいな土地でないとダメ)

建物解体や測量にはそれなりの費用がかかります。
費用をかけてまで国に引き取ってもらうかどうか?
運用面を考えるとなかなかハードルが高いように思います。
今後、運用していく中で見直しも出てくると思いますが、国も不要な土地ばかり増えても
意味がないでしょうし、あまり普及しないかもしれませんね・・・


当社では相続された空き家などでお困りの方のご相談をお受けしております。
売却だけでなく、有効活用や賃貸などご希望に沿った提案が可能です。
また、残置物撤去や解体、遺品整理などの手配も可能ですので、お気軽にご相談ください。
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2022年7月28日